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なぜ、石なのでしょう。ご存じかと思いますが、何年か前ステンレスやセラミック(陶磁器)製のお墓が新聞やテレビで話題になりした。しかし、サッパリ人気 が無くてすぐに消えました。日本人はどうしても、「お墓は石で」という気持ちが強く石以外は受け付けません。それは、なぜでしょう?
私が考えたのは、「石」以外に加工が出来て永く姿・形が保持出来る素材が無かったからではないかと、思っていました。でも、小畠先生のお考えは少し違うよ うです。小畠先生は、日本は木の文化、ヨーロッパは石の文化と言われていますが、日本の「石文化」に注意して見てきていると、日本にも驚くほどたくさんの 石の文化が全国各地に残っているそうです。もちろん、巨大な石造モニュメントや、ピラミッド、石の宮殿、石の建物で都市を作った歴史は日本にはありませ ん。しかし、日本には古代から、石を「聖なるもの」として斎(いつ)き祀(まつ)った遺跡がいたるところにあるようです。

たとえば、神霊の依り代(よりしろ)という「磐座」(いわくら)「石境」(いわさか)「磯城」(しき)、縄文時代の「環状列石」(かんじょうれっせき・古 代人の墓)、蘇我馬子の墓という「石舞台」(奈良・飛鳥)の巨大な石の古墳、あるいは中世から流行する道祖神や石仏などを含めると数え切れないほどの石造 物や自然石があります。

先生はよく『古事記』や『万葉集』をよ読まれるそうです。その『古事記』には「石」「岩」「磐」という字がとてもたくさんあるそうです。これは「木」と比較にならないほど多いそうです。

『古事記』にある日本最初の「墓石」のお話の前に、日本列島と神々の誕生を「神代」(かみよ)の物語でみましょう。日本列島は天の神々が、イザナギの命 (みこと)という男の神様とイザナミの命という女の神様の二神に「国づくり」を命じて生まれました。イザナギとイザナミが天上から下をのぞくと、そこには 何もなくドロドロした油の様な世界でした。そこで天の浮橋(あめのうきはし)から天の沼矛(ぬばこ)を差し込み、かきまぜて引き上げると、矛の先からコロ コロと塩が固まるようにできたのがオノゴロ島です。二神はその島に降りて、天の御柱(あまのみはしら)を立て、「柱の左右から回って出会ったところで国を 生もう」と誓います。

まず、淡路島、次に顔が四つある伊予の島(愛比売・えひめ、讃岐・さぬき、粟・あわ土佐=四国)、・・・・筑紫の島も顔が四つ(筑紫・つくし、豊・とよ、 肥・ひ、熊曽・くまそ=九州)・・・最後に秋津島(あきつしま=本州)で、日本には八つの島々からなる「大八島」(おおやしま)が誕生しました。国生みが 終わるといろいろな神々を生みました。石土・風・海・木・野・鳥・穀物などの神々で、イザナミは「火(迦具土・かぐつち)の神」を産んだ時、御陰(ほと) を焼かれて病気になりました。その間も水や食物の神々を生んで、全部で四十もの神々が生まれました。ここからが日本最初の「墓石」の神話です。

イザナギはイザナミの亡骸の枕辺(まくらべ)で「美しい妻が火の神と引き換えとは!」と泣き、涙から生まれたのが泣沢女(なきさわめ)の神で、葬式の「泣 き女」のはじまりです。イザナミは亡くなると、出雲の伯伎(ははき)との境にある比婆(ひば)の山に葬られました。イザナギは妻に会いたくてあの世の「黄 泉国」(よもつくに)に行くと、イザナミが出てきました。イザナギは「愛しい妻よ、私たちの国づくりはまだ完成していない。どうか帰ってきてくれ」と、頼 みます。イザナミは「なぜもっと早く来てくれなかったの。もう手遅れです。私はあの世の食べ物を食べてしまったので、もどれません。でも、わざわざおいで になったのですから、黄泉の国の神様に相談致します。決して私を見ないで!」といって宮殿の中に入りました。長く待たされたイザナギは、櫛の一本を折って 灯をともすと、そこにはウジ虫がわき、身体には八つの雷(いかづち)が宿るイザナミの亡骸があったので、驚いてイザナギは逃げました。イザナミは「私に恥 をかかせた」と、黄泉の国の魔女たちに追わせ、いざなぎがなんとか逃れると、次には黄泉の国の軍隊を差し向けました。それもなんとか退け逃げてきたとき、 イザナミ自身が追ってきてので、イザナギは千人でやっと動かせる巨大な「千引岩」(ちびきいわ)で出口を塞ぎました。この千引岩が、神話に出る「墓石」の 始まりです。

そこでイザナギとイザナミは、千引岩(墓石)を中にはさんで最後の別れの言葉を交わしました。イザナミ「あなたがこんな仕打ちをするなら、あなたの国の人 間を日に千人殺します!」イザナギ「あなたがそうするなら、私は日に千五百もの産屋(うぶや)を立てて見せる!」これは一日に千人が死に、千五百人が生ま れることですが、「人は死ぬ運命にあるが、日本の国は人の数が増え続けて栄える」という神話的予言です。このあとイザナギが死の穢れ(けがれ)を身禊(み そぎ)すると、天照大神(あまてらすおおみかみ)、月読の命(つきよみのみこと)、スサノヲの命などの神々は生まれ、天の岩戸や八俣の大蛇(やまたのおろ ち)退治などのおなじみの神話が展開します。

さて、神話の「千引岩」つまり「墓石」に込められた意味とはどんなことだったのでしょうか。それは私たちが今使っている墓石の源流となっている点に注意してください。

第一に千引岩(墓石)は、イザナミの命が往った「黄泉の国」の出口を塞ぎ、死者がこの世に自由に出てこれない役割をしています。また、墓石をむやみに開け てのぞいてはいけない、死者が大地のふるさとで安からに眠っている邪魔をしてはいけないと、いう意味もあります。この点については、このホーム・ページに ある『お墓ってな~に』をご参照下さい。

二つ目は、千引岩はあの世とこの世を分けるちょうど境界の役目があります。墓石の前にぬかづくのは、死者の世界と向き合うことですから、普段と全く違う状 況で、亡くなったかけがいのない家族やご先祖様とともに過ごす、人間として大切な時間という意味があります。境界石はのちに「道祖神」「賽の神」(さえの かみ)や墓地の入り口の「六地蔵」、四つ辻・村のはずれのお地蔵様などになります。どれも知らない異界と日常の世界とを隔てる石という意味です。外敵や疫 病・疫病神の進入を防ぎ、あの世で苦しむ死者を救い、知らない世界へと旅立つひとや、そこに暮らす人々の生活を守るなど、さまざまな民俗、仏教、神道の意 味が込められています。

ちなみに、「賽の河原」(さいのかわら)は仏教的なこの世とあの世の境界で、お地蔵様は幼くして亡くなった子供たちの苦しみを救うためにそこにいますが、 千引岩で出口を「塞い」だ「塞」(さい)と、賽の河原の「賽」(さい)は字がとてもよく似ています。庶民の感覚では、そんなことから賽の神(さえのかみ・ 道祖神)と村のはずれのお地蔵様とが習合して、いつの間にか同じ意味に受けられるようになったかも知れません。

第三は、千引岩も墓石も、生きているものと亡くなったものとが会話するちょうど仲立ちの役割をする石で、これがもっとも大切な意味です。『古事記』では、 イザナギとイザナミの会話は日本の将来の予言ですが、お墓は本来「魂の会話」をするところだと、先生はお考えになっいるようです。それは難しいことではな く、人と人が本当に信頼し、お互いにかけがえのない大切な存在であることを確認しあう会話のことをいいます。

亡くなった肉親の魂と、残された家族とが、心の中で素直に会話するところがお墓です。それが「家族のきずな」の始まりだと先生は信じておられます。神話は、お墓(千引岩)をはさんで死者と生者が会話することの大切さを教えてくれているのです。

日本人は神代のむかしから「石」に霊が宿ると考えてきました。だから、神霊が宿る「磐座」(いわくら)を石でつくり「千引岩」が最初のお墓となったので す。日本人が古代からお墓を死者の霊魂がやどる依り代の「石」で作るのは、「石」の霊力を信じる伝統があったのです。

「お墓は石」という日本人の心情はこうした神話と歴史の背景があったのです。

 

 


※この「日本人とお墓シリーズ」の著作権は、「石文化研究所 小畠宏允先生」に帰属します。

無断で複製・転載はご遠慮下さい。

 

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