こんにちは。
広島県大崎上島町の梅木石材店です。
1月23日は1(いい)23(ふみ)、略して「E 文」の語呂合わせから、「電子メールの日」とされているそう です。
新年のあいさつと⾔えば年賀状ですが、今や若い方を中心に電子メールやSNS を使う人も増えていま す。
手段は変わっても、感謝や気遣いの気持ちを文字にのせて伝えることには変わりがありません。
では、人が文字を知らなかった時代はどうやって遠く離れた相手に気持ちを伝えていたのでしょう?
作家・向田邦子さんはエッセイで、古代の人が自分の思いを伝えるために用いたとされる石の手紙、「石文 (いしぶみ)」について書かれています。
「男は、自分の気持ちにピッタリの石を探して旅人にことづける。受け取った女は、目を閉じて掌に石を包み 込む。
尖った石だと、病気か気持ちがすさんでいるのかと心がふさぎ、丸いスベスベした石だと、息災だな、 と安心した」(『男どき女どき』収録「無口な手紙」より)
便利になった現代では、このような感性が乏しくなったのかも知れません。
古代の人が石に自分の思いを託し、また石から相手の思いを感じとることができたのは、石には⻑い年月をか けて自然が作り出した、唯一無二の表情があるからではないでしょうか。
同じようにお墓を前にすると、遠いご先祖様や、忘れられない故人を思って手を合わせたくなるのは、石が“⾔ 葉を超えた何か”を伝える力を持っているからかもしれませんね。